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第四期(2011年11月~2012年10月)の本コミュの軌跡 2010年11月10日 第四期新コミュ設立 2012年1月7日 社員10,000人突破 ( Level.74 ) 2012年1月21日 社員11,000人突破 ( Level.77 ) 2012年1月27日 社員12,000人突破 ( Level.80 ) 2012年2月4日 社員13,000人突破 ( Level.83 ) 2012年2月8日 社員14,000人突破 ( Level.84 ) 2012年2月13日 社員15,000人突破 ( Level.86 ) 2012年2月18日 社員16,000人突破 ( Level.88 ) 2012年2月24日 社員17,000人突破 ( Level.90 ) 2012年2月26日 社員18,000人突破 ( Level.91 ) 2012年3月3日 社員19,000人突破 ( Level.93 ) 2012年3月8日 社員20,000人突破 ( Level.95 ) 2012年3月10日 社員21,000人突破 ( Level.97 ) 2012年3月16日 社員22,000人突破 ( Level.99 ) 2012年3月22日 社員23,000人突破 ( Level.101 ) 2012年3月23日 社員24,000人突破 ( Level.103 ) 2012年3月25日 社員25,000人突破 ( Level.105 ) 2012年3月28日 社員26,000人突破 ( Level.106 ) 2012年4月1日 社員27,000人突破 ( Level.107 ) 2012年4月5日 社員28,000人突破 ( Level.109 ) 2012年4月8日 社員29,000人突破 ( Level.110 ) 2012年4月9日 社員30,000人突破 ( Level.112 ) 2012年4月10日 社員31,000人突破 ( Level.113 ) 2012年4月14日 社員32,000人突破 ( Level.116 ) 2012年4月22日 社員33,000人突破 ( Level.118 ) 2012年4月27日 社員34,000人突破 ( Level.120 ) 2012年5月5日 社員35,000人突破 ( Level.121 ) 2012年5月12日 社員36,000人突破 ( Level.123 ) 2012年5月13日 社員37,000人突破 ( Level.124 ) 2012年5月18日 社員38,000人突破 ( Level.126 ) 2012年5月19日 社員39,000人突破 ( Level.128 ) 2012年5月25日 社員40,000人突破 ( Level.129 ) 2012年5月27日 社員41,000人突破 ( Level.130 ) 2012年6月1日 社員42,000人突破 ( Level.131 ) 2012年6月2日 社員43,000人突破 ( Level.133 ) 2012年6月3日 社員44,000人突破 ( Level.135 ) 2012年6月9日 社員45,000人突破 ( Level.136 ) 2012年6月14日 社員46,000人突破 ( Level.138 ) 2012年6月15日 社員47,000人突破 ( Level.140 ) 2012年6月17日 社員48,000人突破 ( Level.141 ) 2012年6月22日 社員49,000人突破 ( Level.143 ) 2012年6月24日 社員50,000人突破 ( Level.144 ) 2012年6月29日 社員51,000人突破 ( Level.146 ) 2012年7月8日 社員52,000人突破 ( Level.147 ) 2012年7月15日 社員53,000人突破 ( Level.148 ) 2012年7月21日 社員54,000人突破 ( Level.150 ) 2012年7月25日 社員55,000人突破 ( Level.151 ) 2012年7月29日 社員56,000人突破 ( Level.152 ) 2012年8月3日 社員57,000人突破 ( Level.153 ) 2012年8月13日 社員58,000人突破 ( Level.154 ) 2012年8月31日 社員59,000人突破 ( Level.155 ) 2012年9月2日 社員60,000人突破 ( Level.156 ) 2012年9月4日 社員61,000人突破 ( Level.157 ) 2012年9月15日 社員62,000人突破 ( Level.158 ) 2012年9月17日 社員63,000人突破 ( Level.160 ) 2012年9月29日 社員64,000人突破 ( Level.160 ) 2012年10月??日 社員65,000人突破 ( Level.161 ) 2012年10月??日 社員66,000人突破 ( Level.162 )
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【呼称】武者 【使用デッキ】 2016 超重武者 #2 戦士 #4 中学生戦士 #6 #7 #17 #24 なんかよくわからん戦士 #10 【出演動画】これでも僕らは決闘者 【twitter】 【備考】これでも僕らは決闘者のメンバー。 名前 コメント
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前ページ次ページ村企画 20140925村企画wiki作成 20140928村たて事情により、企画一時凍結。 あの頃の僕らは。 村名 あの頃の僕らは。 村建て sen-jyu 開催国 ぐた国 種別 完全RP村(友情メイン、参加PCは男子のみ、薔薇は推奨も禁止もしません。) レーティング 進行中は大人の分別(全年齢)で。エピは多分解禁 更新間隔 48h 投票方法 無記名 発言制限 いっぱい、または審問 キャラセット あずまセット 募集人数 9〜11人(ダミー込) 編成 村占囁狼あたり(未定) 更新時刻 0時30分 開催時期 やれれば12月後半(年末年始かかるかも?)予定 役職希望 あり あらすじ 【 あの頃のぼくたちは、確かに“家族”だった 】 これは、あの頃、 寂しさの中で身を寄せ合って暮らしていた僕らの物語。 聖なる夜に、僕らの家は焼け落ちた。 クリスマスバザーのちっぽけな寄付金を狙った強盗の仕業なのだという。 炎に巻かれた兄弟たちと、生き延びた兄弟たちと、 あの頃を家族のように共に過ごした僕らはちりぢりになり、 そして、 僕は大人になった。 【Kinder Heim】 それはあいつの自伝的小説、 “あの頃の僕ら”の姿が今の彼の目線から描かれており、 この本の出版を持ってあいつは成功者となるはずだった。 しかし、あいつは死んだ。 本が売れたらホームを再建したい、そんな夢だけを残して。 本の出版を目前に控えた冬の夜、 踏み切りの中の老人を助けようとして、 先の短い年寄りと一緒に死んでしまった。 彼の本の記録を便り連絡がいったのか、あるいは新聞を見たのか、 どこでかは定かではない、彼らには彼らの今の生活がある。 そう“あの頃の兄弟たち”はあいつの訃報を知った。 そして集った葬儀の場、「ホームへ行ってみよう」 誰かがそんなことを言い出したのだろうか? そのホームは彼らにとって懐かしい場所か、 あるいはいまだ思い出したくもない場所か。 抱く思いはきっと人それぞれだろう。 けれど、今、 彼らは確かにあの焼け落ちたはずの“Kinder Heim”に立っている。 村の目的 実際はあいつの葬儀の帰りに事故に僕らは巻き込まれ、 夢うつつをさまよっての不思議世界、なつかしのホームでの物語。 PCは全員同じ孤児院出身、 今は交流もなくそれぞれの日々を生きていました。 もう子供じゃありません、大人になったら色々大人の悩みもありますね。 処刑襲撃設定および指針 ・狼は事故での死亡者、 ・村側はまだ死んでない人、 ・吊り襲撃→相手を生存させる。 (生還者はあまり重篤な後遺症を残さない方向で、ただし、狼は死ぬ) ・墓下は事故後に運ばれた病院となります。 狼を探しあてる、謎を解明するが主目的の村、ではなくて、全員で物語を作るというか個対個以外の人間関係も楽しみたい、というか。 なんか現実っぽくないけど懐かしい空気の中で、 夢の中で夢だと気づいたら、夢から覚めてしまう的な、 気づいても気づかないフリとか全然おっけー。 発言ルール 回想は控えめに、今を生きよう。 中身発言は、独り言のみ可。 赤ログでの襲撃相談は最低限で可。 メモでの会話は最低限(感想は独り言にお願いします) 禁止事項 進行内容を公の場に漏らすこと。 掛け持ち参加。(プロエピかぶりは許容) 体調や多忙、急用を原因としない寡黙。(左記原因はメモにて相談してください) くれぐれも健康大事!第一! 推奨事項 ◆幼馴染縁故は素敵だけど、一人とばかり関係が濃くなるよね。 じゃあいっそみんな幼馴染ならどうだろう、というのが思いつき。 ◆幼い頃を知っているが故の、今との落差とか、感傷とか、悔恨とか、少年の日の切なさを感じる大人たちの村でお願いします。 ◆昔話エピソードとか無茶振り推奨、今を生きる苦悩とかもおいしい。みんな昔は家族だったんだよ! ◆宿業システム、使わせてもらいたいな!⇒それぞれ、業となる単語をランダムでプロローグで引き当てるシステム。むちゃぶりです。 ◆ほろにがい展開推奨 ◆恋愛禁止というわけではありません。ただ、友情がメイン 参加募集 ※ただいま、諸事情により、参加CO一時凍結です。 ※ご質問などはコメント欄へどうぞ コメント 名前 コメント 前ページ次ページ村企画
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ニコ動ava隊もいろいろなクランマークにしてきました。 その軌跡と言いますか,経歴をご覧下さい。 初期 まあ,クラン創設したらこうなりますよね。 2代目 ブロンズ賞のあれ。 3代目 ハートの形をしたイカツイ奴 4代目 雪だるま! 問題点は,周りの白枠まで表示されてしまうこと。 5代目 虹です。 これが一番長かった。 ポケットキャットの方が長くなった気がする。 6代目 ポケットキャット! 1年半くらいはずっとこれだったと思う。 7代目 ←NEW!! 肉球(ΦωΦ) ニコ動ava隊=ネコみたいな感じになってますね。
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前ページ次ページゼロの軌跡 第二話 虚無の扉 その日、ルイズはメイジとしての自らの尊厳と存在をかけて召喚の儀に挑んでいた。 地面に穿たれた無数のクレーターはその努力の証左だ。既に何度目か、数えるのも億劫になるような試行錯誤のその果て。ありったけの精神力と祈りと願いを込めて振り下ろした杖の先。 浴びせられる嘲笑と罵声は濛々たる白煙の中から聞こえる駆動音と蒸気にかき消された。 煙が晴れてそこに鎮座していたのは巨大なゴーレム。しかし土で出来ているようには見えない。総鉄製の人形はその手を何かを守るかのように胸の前に掲げていた。 湧き上がった歓喜もつかの間、ルイズは戸惑いの渦中にあった。 自分の起こした爆発の中から現れたのだから、間違いなくこのゴーレムは自分が召喚したのだろう。しかし生物でないものを召喚するなどということがあるのだろうか。 同級生はもとより、いかな文献や授業でもそのような話は聞いたことがなかった。そもそも鋼鉄で出来たゴーレムなんてものが知識の範疇外のものだ。 「コルベール先生、その…この場合ゴーレムと契約することになるんでしょうか」 「ああ、そうだね。この儀式はしんせ…いや、無理に契約しろとは言わないよ。君が気に入らないなら私が引き取ろう。うん、それがいい。是非とも新しく召喚しなおしてくれ」 この機械バカに聞いた私が間違いだった、とルイズは内心で毒づく。 「いえ、やはり契約します」 思い切り残念そうな顔をしたハゲを尻目にルイズはゴーレムに近づいた。心はまた喜びで満ちた。 そうだ、これは私の使い魔なのだ。ゼロだった私が立派なメイジになった、その証なのだ。誰にも、誰にもくれてやるものか。今まで蔑みの対象でしかなかった私を守ってくれる鋼の揺り籠。 ゆっくりと近づいて、私はその腕にキスをする。暖かい。きっとこのゴーレムも私を祝福してくれているのだ。 胸に刻まれた複雑なルーン。私とこのゴーレムをつなぐ絆。そう思うと意味もわからないその文様すらいとおしく感じられる。 ルイズは高らかに叫ぶ。それは凱歌だ。今まで自分を見下し続けた世界に対する勝利宣言だった。 「見なさい、これが私の使い魔よ。竜の炎も獣の爪もものともしない、くろがねの王。 私の、私の使い魔よ!」 しかしルイズの歌は背後から聞こえる音に突然遮られた。 振り向けば、ゆっくりと開かれるゴーレムの手のひら、そこに立っていたのは一人の少女。年の頃は12,3歳くらいだろうか。紫の髪に黒のリボン。白と黒を基調とした上品でかわいらしいドレスに赤いネクタイ。 そしてなにより、その手に握られた彼女の身の丈ほどもありそうな異形の大鎌。金色に縁取られた漆黒の刃の先端は新雪のように白い。その、人を殺すにはあまりにも優美な曲線。尖った柄は春の光を浴びて鏡のように少女の顔を幾つも浮かび上がらせる。 「あなた、今なんて言ったの・・・」 その言葉に込められた、竜をも殺さんばかりの殺気。 しかし、もうルイズは後には引けなかった。 それは世界と彼女とを繋ぎ止める桎梏。失えば再び侮蔑が彼女を襲うだろう。 魔法に見捨てられるゼロに戻ることなど、選べるはずもなかった。 ルイズは無謀にも叫ぶ。手負いの獣のいななきのようなその言葉。 「そのゴーレムは私の使い魔!私の物!そこから降りなさい!」 その言葉を聞いて少女がその稚い顔をゆがませた次の瞬間、ルイズは宙に浮いた。足を掬われたのだ、と気づく間もなく地面に思い切り叩きつけられる。 肺から逃げた空気は音にもならず、首筋に当てられた刃を見て悲鳴を必死に飲み込んだ。 組み伏せられたルイズを見て、コルベールはすぐに彼女を下がらせなかった自分の判断の甘さを悔やんだ。しかし、あの速さでは自分が彼女をかばっていたとしても守りきれたかどうか。 それどころではない、とかぶりを振り今は不必要な思考を追い出す。ともかくも、あの少女を落ち着かせることだ。あのままでは、ルイズが危ない。 「お嬢さん、ひとまず落ち着い『<パテル=マテル>、ダブルバスターキャノン!!』」 コルベールの言葉は途中で遮られ、少女の怒号が響いた。 彼にも上手く咀嚼できない少女の声を理解できる者がその場にいるはずもなく、けれども不吉なものを感じ取った生徒たちが後ずさりを始めた時、ゴーレムから二つの閃光が走った。 その暴力的なまでの輝きを放つ光は塀を紙細工のように粉砕し、木立を飲み込み、轍を形作った。 数瞬の後、轟音と閃光が静まる。そして沸き起こる混乱、生徒達とその使い魔の悲鳴と呪詛が辺りを埋め尽くした。 生徒達は皆逃げて失せた。コルベールは慌ててルイズに近寄ろうとしたが、ルイズとコルベールの間に彫られた轍、それを越えようとしたときゴーレムが再び動き出すのを見て歩みをとめざるを得なかった。 手を出すな、ということか。コルベールは臍をかむ。ゴーレムの動きをとめつつ少女からルイズを救出する。そんな離れ業が出来るとも思えず、彼に残された道はただただルイズの無事を祈ることだけだった。 今なおルイズの頚動脈に置かれている少女の鎌、地面に突き刺さった柄はルイズの桃色の頬に触れんばかり。次第に遠くなるクラスメイトの悲鳴を聞くたびに、死の淵にいながらルイズの頭は逆に冷えていくようだった。 私は思う。きっと私はここで死ぬのだろう。ゼロの私は己の魔法で喚び出したものに殺されるのだ。 「さっきの言葉を撤回しなさい!」 それは私には出来ないことだ。それには私が魔法に捧げてきたもの全てが懸かっている。 この少女に思い知らせてやりたい。私がどれほどの時間を費やし、寝食を削り、体を酷使し、心を擦り減らし、願いを込めてあの言葉を吐き出したのか。 立派な貴族足らん、メイジであらんとして求めたもの。その結晶があのゴーレム。 「<パテル=マテル>はレンの何より大事なものなの!」 ああ、レン、あなたはレンっていうのね。折角の可愛い顔が台無し。 そんなに怒りに身を震わせて私に刃を向けないで。 そんなに怯えに身を竦ませて私を見ないで。 あなたにはきっと、天使のような微笑が似合うはずなのだから。 「レンのパパとママよ!絶対に渡さない!」 その言葉を理解する前に私の体は再び宙に浮いた。首に手をかけられて持ち上げられる。こんな状態ではさっきの言葉を撤回しようにも話すことすら叶わない。彼女の我慢が限度を越えたのだろう。もう私には死しか残されていないということか。 耐え切れずに動いたコルベール先生がゴーレムの腕で横薙ぎに吹き飛ばされるのが見える。死に際してこんなにも冷静な自分自身の思考が奇妙にも可笑しく感じられた。意外なほどに恐怖を感じないのは何故なのだろう。 ああ、そうか。 私は得心する。 レンと私はとてもよく似ているんだ。 きっとレンも世界に見捨てられたことがあるに違いない。 でなければ、こんな眼をするはずがない。 「しんじゃえ…」 でもかわいそうに、レン。 私はそのゴーレムで救われるけど。 あなたはそのゴーレムでは救われなかった。 段々視界が黒く塗りつぶされていく。 意識が薄くなりながらも、私はレンの笑顔が見れないことが悲しくて仕方がなかった。 私の命が閉じるその寸前、雲耀の差で首に掛かる力が弱まった。どうにか眼をこじ開けるとレンの唇が動くのがかすかに見えた。 「だめよ、『レン』 あなたも私も本当は優しいお姫様なのだから」 ああ、そうか。 私は嘆息する。 レン、あなたはゴーレムだけでは救われない。 あのゴーレムで救われるのは『レン』だけ。 あなたのパパとママは『レン』しか守ることは出来ないの。 レンは今もずっと、一人きりで泣いているのね。 誰か、レンを助けてあげて。 心の奥底で、孤独に怯えているレンを暖めてあげて。 太陽のような光で、優しい想いで。 ルイズの意識は、そこで暗転した。 前ページ次ページゼロの軌跡
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涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡 翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。 とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。 北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、 「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」 「キョンくん、おはようございます」 鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。 何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう? 靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。 「よう、今日も元気か?」 「問題ない」 声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り 今日の朝は気分はそこそこみたいだな。 階段を上がっている途中で、なぜか生徒会長と共にいる古泉に遭遇する。 「やあ、これはおはようございます――どうしました? 何かいつもと雰囲気がちょっと違うように見えますが」 「朝からお前と遭遇して、せっかくの良い気分がぶちこわしになっただけだ」 「これは手厳しい」 ふと、俺はあることを思い出し、古泉と生徒会長を交互に見渡して、 「とりあえずご苦労さんとだけ言っておく」 「はい?」 俺の台詞の意味がわからず、呆然とする古泉と生徒会長を尻目に俺は自分の教室へと向かった。 そして、教室に入ってみれば、ハルヒのしかめっ面が俺をお出迎えだ。 少しはこっちの気分を読んで欲しいぞ、全く。 「遅い! せっかく良いもの見つけたから、朝ご飯食べながら学校に走ってきたのに!」 「お前の都合でどうこう言われても困るぞ」 団長様のありがたい怒声を聞きつつ、俺は自分の席に座る。 見ればハルヒは机の上にチラシを沢山並べていた。どうやら何かの催しの案内らしいな。今度は何だ。 全米川下り選手権にでも丸太に乗って参加するつもりか? 「ほら見てよ、これって凄くおもしろそうじゃない? ついでにSOS団のアピールもバッチリだわ! これは――」 意気揚々と語り始めるハルヒ。俺はそれを耳から垂れ流しつつ、ちょっとした考え事に入る。 最初に言っておくが、これは昨日の夜家に帰って風呂に入りながら考えた俺の妄想だ。 俺はずっと向こう側の世界に行って、SOS団を作り上げるまで試行錯誤しまくってきたわけだが、 実際のところ不可解な点もたくさんあるのが実情だ。 特に情報統合思念体については明らかに矛盾している点がある。連中は長門によるハルヒの力の使用は二度あって、 一度はハルヒのリセットで隠蔽、もう一つは直前で阻止したようだったが、今俺が帰ってきた世界の長門の世界改変分が カウントされていないのはなぜだ? 最初に聞かされた話じゃ、ここの連中とあっちの連中も結局は同じもののはずだからな。 そう考えれば、俺の知る限り長門による力の行使は三回あったはず。これはあきらかに矛盾している。 じゃあ、実はハルヒの勘違いで、こことあっちの連中は実は別物と言う可能性はどうだろうか? 一応パラレルワールドみたいなものだし、 その分だけ情報統合思念体が存在していてもおかしくはない。が、それはそれで矛盾がある。見たところ同じような考えを持った 存在だったことを考えれば、この世界で長門が世界改変を実施したら、同じように長門の初期化、さらにハルヒの排除という 流れになるんじゃないだろうか。向こうの連中は過剰反応しただけで済ませるにはどうにも腑に落ちない。 まあ、なんだ。前置きが長くなったが言いたいことはこういうことだ。 俺が去った後にリセットされてやり直されている世界――それが今俺のいる世界なんじゃないかってね。 つまり俺はずっとここに至るまでの軌跡をずっと描き続けてきたってことだ。 情報統合思念体にも実は俺たちとは違うが時間の流れみたいなものがあって、あの交渉の結果、 この世界では長門の世界改変がスルーされた。約束通りに。 それだといろいろつじつまの合うことも多い。 ハルヒがどうして宇宙人(長門)・未来人(朝比奈さん)・超能力者(古泉)・異世界人(俺)がいることを望んでいたのか。 それは最初からSOS団を作るために、探していたんじゃないだろうか。だからこそ、不思議なことを探してはいるものの、 全員そろっている現状に密かに満足しているのではないのか。それだと唯一いないと言われている異世界人は、俺だし。 それに…… ―――― ―――― ―――― なーんてな。考えすぎにもほどがある。本当にそうなら、今目の前にいるハルヒは自分が神的変態パワーを持っていることを 自覚していることになっちまうが、それなら最初に世界を作り替えようとしてしまったこととか、元祖エンドレスサマーとかの 説明が全くつかなくなってしまう。自覚してあんなデリケートな性格になっているんだから、あえてやるわけがない。 普段の素振りを見ても、そんな風にはとても見えないしな。自覚しているハルヒを知っている身としては。 ……ただし。 ――あんたの世界のあたしがうらやましい。何も知らずにただみんなと一緒に遊んでいられるんだから―― この言葉が少々引っかかるが。 まあ、どっちにしろ凡人たる俺にそんなことがわかるわけもない。一々確認するのも億劫だし、面倒だ。 現状のSOS団に満足しているのに、わざわざヤブを突っつく必要なんてあるまい。 俺の妄想が本当かどうかはその内わかるさ――その内な。この世界も別の神とか宇宙的勢力とか出てきて、 まだまだ騒がしい非日常が続いて行きそうな臭いがプンプンしているし。 「ちょっとキョン! ちゃんと聞いているの!?」 突然ハルヒが俺のネクタイを引っ張ってきた。やれやれ、妄想もここまでにしておくか。 俺はハルヒの手をふりほどきつつ、 「で、次はどこに連れて行ってくれるんだ?」 その問いかけにハルヒはふふんと腕を組み、実に楽しそうな100W笑顔を浮かべて、 「聞いて驚きなさい。次はね――」 ~完~ 涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡
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第四十三話 それでも俺は生きている!! 投稿者:兄貴 投稿日:08/11/21-00 27 No.3741 シモンは今はただ粉々にされた自分の全てに呆然とするしかなかった・・・・・・・かに見えた。 「うわ~、シモンさん大丈夫ですかね~、超さん?」 会場とは別の場所にてこの試合を薄暗いコンピュータールームにて見物するハカセと超も、この戦いの一部始終を見ていた。当然彼女達もシモンの哀れな姿も見ていた。そして強烈な一撃により殴り飛ばされたシモンの安否をハカセは気遣っていた。すると、 「・・・・・ハカセ、今から生でこの試合を見に行くネ、ちょっと面白い事になるかも知れないヨ」 「え?この試合って・・・だって・・・今決着が・・・」 超の言葉の意味がよく分からなかった、なぜならこの試合も何も今シモンが完全に負けたはずだと思っていたからである。するとハカセのそんな考えを見抜いた超は首を横に振る。 「これで終わりのはずが無いヨ、まだきっと何かが起こるネ!」 「・・・・何かが?・・・・・・・起こるって一体・・・・何がです?・・・」 すると超は自信満々の笑みでハカセに振り向く。 「ふふ・・・何かがヨ!!!」 超は笑みを浮かべながらコンピュータルームに背を向ける。ハカセも少し戸惑ったが超の言葉の真意が気になり、超を追いかけた。 『ヨーコ選手の強烈な拳が炸裂!!!!シモン選手その威力に激しく吹き飛ばされる!!!!』 会場が騒ぎ出している。ボロボロにされ、みっともない姿を曝け出した今のシモンを周りの者達はどう感じているのだろうか、しかしそんなことは今のシモンにはどうでもよかった。 「「「「「「シモンさん!!」」」」」 『これはとんでもない威力だ!!さすがにこれほどの攻撃を受ければ立つことも無理でしょう!・・・この勝負ヨーコ選手の「待って!」・・・・えっ?』 朝倉が勝利者宣言をしようとした瞬間誰かが口を挟んだ、その人物とは他の誰でもない、今シモンを殴り飛ばしたヨーコ自身だった。自分の勝利が決定する寸前に口出しする、この行為に朝倉は首を傾げる。するとヨーコは腕を組みながら場外で倒れるシモンを眺めている。 「これで終わるような男じゃないのよ・・・アイツはね」 『えっ?いや・・・ヨーコさん・・いくらなんでもこれ以上は・・・・』 「いいから黙って見てなさい、アイツは絶対に立ち上がる!・・・私には分かるのよ・・」 朝倉に軽くウインクをして、試合続行を促した。しかし誰の目から見てもこれ以上は無理であると思っていた。何より先程までの不安定だったシモンはこれ以上戦う気力すらないだろうと思っていた。 友や家族がシモンの名を叫びながら駆け寄ろうとしている。今のシモンに何と声を掛ければいいか分からない、しかし懸命にシモンの名を叫んでいた。 だがシモンは反応しない、それはヨーコから受けたダメージによってではない、シモンはなんとこの時、夢を見ていたのだ。それは現実世界ではものの数秒の時間しか経っていない、しかしその夢はシモンにとっては数秒程度だとは思えないほど濃く、鮮明な夢だったのである。 (これは・・・・夢なんだろうな・・・・) 頭の中に流れる映像に対してシモンは簡単に結論を出した。ヨーコに殴られて、頭も強く打っている、だからありえない話でもなかった。そして眠っている時に見る夢の内容はほとんどが、ありえないような話、それを夢と呼ぶ。 なぜなら夢の中で登場する自分の前に懐かしい男がいたからだ。もう二度と会うことは出来ないと思っていた、しかし死んだ筈のその男はシモンの目の前で腕を組みながら立っていた。 [目ぇ覚めたかシモン?] やはり夢だ、そう確信した。だが悪い夢ではなかった、少なくとも自分の心は落ち着いていた。ありえない出来事も夢と確信してしまえば難しく考えないで済んだ。するとシモンは苦笑しながら夢の中の男に話しかける。 (夢を見てるって事は・・寝てるってことだよ、だから目は覚めてないんじゃないかな?・・・) [バカヤロウ!!こんなにスゲぇ心の目覚まし時計鳴らしてやって、いつまでも寝惚けたこと言ってんじゃねえ!!] 夢の中に現れた男は豪快に言う。そんな男に向かってシモンは笑うしかなかった。 (はは・・相変わらずだな・・・、人の夢の中まで登場してきて・・・) [その通り!これは夢だ!だから何が起こっても許される!!!!] (それ無茶苦茶だよ~) その男の姿も、そして身に纏う空気も相変わらず変わっていなかった。もっとも死んだ人間なのだから変わっているはず無い。もう自分の方が目の前の男より年上なのだが、シモンは相変わらずこの男には頭が上がらなかった。すると男はズイッとシモンに近づいてきた。 [忘れたのか?お前が迷ったら俺が必ず殴りに来てやるって言っただろうが!なんとか宇宙だろうが夢の中だろうが、そのためなら棺桶からだって這出してやるよ!!俺を誰だと思ってやがる!!!!] (!?・・・そうだな・・・そうだったな・・・・・・) シモンは何故コアドリルがヨーコの胸の中で光ったのか、その理由が分かった。それは簡単なことだった。コアドリルに眠った英雄の魂がヨーコの拳を借りて自分を殴りに来たのだと。 懐かしい、そしていつまでもでっかい男の言葉と魂の姿。 [それでシモンお前は誰だ?] (えっ?・・・俺・・・俺は・・・・) [お前ほどの男が、あんな穴ぐら育ちのデカ尻女に好き勝手言われてビービーしてんじゃねえ!!自分が選んだ一つの事がお前の答えじゃねえのかよ!だったらその答えに迷ってんじゃねえ!!自信を持て!!] (あっ・・・・そうか・・・・最初から答えを持っているのに・・俺は・・・) 男の言葉にシモンはハッとなった、たとえ悲しみを誤魔化すためでも、そうあろうと自分自身の意思で決めた答えに迷う必要なんて無かったのだ。すると目の前の男はニッと笑い顎だけ動かしシモンに告げる。 [分かったんなら早く言って来い!そして俺の言ったことを今度は二度と忘れんじゃねえぞ!自分を信じろ!俺が信じるお前でも、お前が信じる俺でもない!お前が信じる――――――!!!] その瞬間、シモンは再び現実に引き戻された。 ハッとなってシモンは周りを見渡す。 「シモンさん!シモンさん!」 駆け寄るネギたちは何度もシモンの名を叫んでいる、そして彼らがシモンに触れようとした瞬間、瓦礫に埋もれて全く身動きしなかったシモンが不意に立ち上がった。 「「「「「シモンさん!?」」」」」 『オオ~ッとシモン選手立ち上がった!?これは驚きです!しかしダメージは相当なはずです、これは続行できるのか!?』 「ふふ・・・ほらね・・・こういう奴なのよ・・」 「やはりネ・・・」 「ぶ~う!」 不意に立ち上がったシモンに驚くネギや朝倉、しかしヨーコ、ブータ、そして超だけが分かっていたかのような笑みを浮かべる。するとシモンは少し俯いたまま一歩一歩リングに向かって歩き出した。 「シモンさん!」 「兄貴!」 少し驚いて呆然としたが、ハッとなってシャークティと美空が心配そうにシモンに尋ねる。すると 「大丈夫・・・俺は分かった・・いや・・・思い出したんだ!・・・俺・・思い出したんだよ!」 先程の出来事は紛れも無く夢だった、しかしそれでもシモンにとっては本物だった。ボロボロになった姿のシモンはどこか吹っ切れたような顔をしていた。その顔を見てヨーコも口元に微かに笑みを浮かべる。 「これで最後だ!いつまでも死んだ人間に迷惑かけてられないからな・・・・墓穴掘るのは・・・これで最後だ!」 リング状に再び戻ったシモン、ヨーコは黙って見ている。音を立てない静寂な空気が流れ、この後このボロボロの男は何をするのか、会場中が注目している。するとシモンは顔を上げ、会場中に響き渡る大声で叫ぶ。 「お前が信じる・・・お前を信じろ!!!!それが・・俺なんだよぉーー!!」 「「「「「「「!?」」」」」」」」 「ニッ!」 傷だらけの体を引きずりながらシモンは全てを思い出した。そして二度と誰にも否定させない自分自身が導き出した想いの全てを曝け出す。そう自分が幼かったとき、明日へと向かったあの時の言葉を、シモンはこの世界にぶちまける。 「ニアは死んだ!もういない!だけど・・俺の背中に!この胸に!一つになって生き続ける!!!!」 「シモン!」 シモンは己の指を天に向かって強く指す。 「穴を掘るなら天を突く!墓穴掘っても掘り抜けてっ!突き抜けたなら、俺の勝ち!!!!」 「そうよ・・・・なによ・・・分かってるじゃないシモン!!」 「ぶう!!」 「シモン・・・さん・・・・」 ヨーコとブータだけがシモンの言葉に涙を浮かべながら頷いていた。そして他の者たちはかつてのヨーコたちと同じような顔をしてシモンを見ている。かつて四天王が地上の人類に絶望を与えるために空に映像を流し、グレン団を見せしめに殺そうとした。しかしその出来事を希望に変え、地上の人類に光を与えた男、その姿を再び見ることが出来た。 「俺を誰だと思っている!俺はシモンだ!新生グレン団リーダー!穴掘りシモンだぁ!!!!」 「そうよ!たまに墓穴を掘っても・・・掘った墓穴の分だけアンタは再び強くなる!それがアンタなのよ!!」 涙を振り払い舞い戻ったシモン、名乗りを上げた彼はサングラスではなく、幼い時から身に着けていたゴーグルを装着した。その姿にヨーコは強い笑みを浮かべて叫んだ。シモン一人にスポットライトが当たったかのように会場中の注目を一身に浴びるシモンは雄たけびを上げヨーコへ向かう。 「さあ、いくぜヨーコ!!突き抜けた墓穴の先を見せてやる!!」 「人に何を言われようとも、自分で一度決めたことを最後まで貫き通す、合格ね・・シモン!!アンタは私の言葉を跳ね返した!!」 「あたりまえだ!!俺を誰だと思っているーーーーー!!!!」 『なな・・・なんと!?シモン選手からも膨大な緑色の光が溢れている!?これは一体!?』 「もどったぜ!!穴掘りシモンの本物の気合がよおおおお!!」 完全に螺旋力のゲージが振り切れたシモンはヨーコにも負けないほどの巨大なオーラでリング上を埋め尽くす。ヨーコもその姿に想いを高ぶらせ、己の気を高めシモンに向かって走り出す。 「さあ、来なさいシモン!」 「ヨオオオコーーーー!」 ――――ガシュュューーーン!!!! 『両者の拳が再び交差する!!まだ・・・まだ決着はついていない!!』 「すっかり復活しちゃって、私の拳はそんなに目が覚めたの!?」 ―――ドガン!! 「何言ってやがる、久しぶりに死んだ人に会っちまったよ、でも・・・たしかに起こされた!!」 ―――バゴッ!! 『両者の攻撃がぶつかり合う!!そして・・・これは・・・リング上の互いの緑色のオーラが渦を巻いて二人を囲んでいます!!』 激しくぶつかり合うシモンの螺旋力とヨーコのコアドリルから流れる螺旋力を受けた打撃、その光が一つの流れとなり、ついには螺旋の渦を巻いて二人を包み込む。 「まったく、・・・・ホントにアンタは大した奴よ・・・」 ―――バシィィン!!!! 「そうだ、男と三日会わなければ活目して見ろ!だが・・・俺とは一分経てば活目して見ろ!!」 ―――バシィィン!!!! 「それが穴掘りシモンなんだよ!!」 「知ってるわ!その男の魂に私達は明日を賭けたんだから!!」 振動が、風圧が、想いが、熱気が、互いの力の全てがぶつかり合いその渦が会場中を包み込む。 ――ガタッ! その時誰かが立ち上がる音がした。それは豪徳寺だった。 <どうされました?豪徳寺さん> 不意に隣で立ち上がった豪徳寺に茶々丸が尋ねる、すると彼は拳を力強く握り締め、目尻に涙が溜まっている。 <すげえ、・・・あの人達が何に対しぶつかり合っていたかは知らない・・・だが・・・これほど熱い想いを互いにぶつけ合えるなんて・・・すごすぎるぜ!> すると豪徳寺はマイクを持ち上げ解説者席に足を乗せて叫び出した。 <最高だぜ・・・・アンタたちはやっぱり最高だぜ!シモンさん!ヨーコさん!> その声は拳を交えあう二人には聞こえない、しかし他のものには聞こえた、すると豪徳寺につられて観客の一人が声を上げる。 「やっぱ・・・・やっぱアンタは熱いぜシモンさん!」 するとそれを見て、また一人声を上げる。 「そうだ・・・ヨーコさん・・・負けるな!・・・・負けんな!」 一人叫べばまた一人、お通夜のように静まり返っていた会場が再び熱を取り戻し二人へ向けて大歓声を上げる。 「シモンさーーーーん!!」 「ヨーーコさーーーん!!」 「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」 どちらを応援しているのか最早分からない、気付けば観客は両方の選手を応援していた。それは試合に勝てと言っているわけではない、ただ声を上げずにいられなかったのだ。 ―――バシィィン!!!! ぶつかり合った衝撃がリング上を駆け巡る。 ―――バシィィン!!!! 「死ぬほど辛いことがあった・・・だが、それでも俺は生きている!!」 「そうよ!私達は今日を生きている!!」 ―――バシィィン!!!! 「もう揺らがねえ!!自分の出した答えが間違ってねえって胸張って言うぜ!!何度だって言ってやる!!俺はニアとの思い出と共に明日へ向かう!!俺は生きる!!でもアイツのことは絶対に忘れねえ!!」 「そうね!!だったらもう何の心配も要らない!!」 ―――バシィィン!!!! 「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」 『両者一歩も退かない!!激しいぶつかり合いにさらに光の輝きが増していく!!止め処なく溢れるこの光、今にも天を突きそうな勢いです!!!!』 振りかぶった互いの全開の気合を込めた拳の一撃がぶつかり合い、その衝撃によって生まれた光が大きく輝き出し、会場全体が思わず目を瞑ってしまった。 『お互い行ったーーーーーー!!このぶつかり合いを制したのは!?』 そしてようやく目を開けるとそこには、 「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、」 「ふ~、疲れた~・・・・」 『なっ・・・お互い健在です!まだ勝負は終わっていない!!』 「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」」 お互いリングの上に膝をついて座り込んでいた。なんと今の一撃でも決着はついていなかったのである。再び会場が盛り上がるが、当の本人達は違う。疲弊しきりながらも、お互いの顔はとてもスッキリしていた。 「やっぱり小さな子供相手に仕事していたから、熱血についていけなくなったわね・・・・は~あ~私も鈍ったわね~」 「バカ言うなって・・・・ヨーコは生涯現役だって・・・頑丈すぎるのもお前の良い所だろ?」 試合の決着はまだついていない、しかし何故か二人は座り込みお互いに笑みを浮かべ笑いあっていた。 「ねえシモン・・・アイツに・・・・会ったの?」 「ああ、・・・叩き起こされてきた!」 「誰に?」とはシモンは聞かなかった、聞かなくてもその人物が誰なのか互いに分かっていたからだ。ヨーコも苦笑しながら「そう?」と頷きそれ以上は聞かなかった。 するとヨーコはヨロヨロと立ち上がり、肩の力を抜いた。そして軽くため息をついてシモンを見る。 「たとえ弱みを晒しても・・アンタは強くなって戻ってくる、アンタはもう・・・大丈夫ね・・無理して嫌味を言った甲斐があったわ・・」 「全てが大丈夫なわけじゃない・・・でも・・・・俺のこの一年の弱さは全て吐き出した。だから・・・・心配要らない!!・・・済まなかったな・・・らしくない真似させて・・・」 そう言ってヨーコを見るシモンの瞳に偽りをまったく感じなかった。ヨーコはそれだけで全てを満足した。シモンもニアへの思いを侮辱された時頭に血が上ったが、なんてことはない、ヨーコがわざとそう言ったのだ。少し考えればヨーコが本心で言うはずが無い、そのことも気付かずに殴りかかった自分が少し恥ずかしかった。そしてヨーコは自分達を見て戸惑っている朝倉に体を向けて。 「うん、降参するわ!」 『はっ?・・・えっ・・・あの・・・いいんですか?』 「ええ!それでいいわ!」 『ええ~では~・・・コホン!ヨーコ選手棄権のため、この勝負シモン選手の勝利です!!』 全てに満足したヨーコは自分の敗北を認めた。それはせっかく盛り上がった戦いにしては呆気ない幕切れだった。観客も少し戸惑ったが、そのことに対して誰も文句を言わずにただ拍手をして二人を称えていた。 「兄貴!」 「「「「シモンさん!」」」」 突如試合終了が告げられ、ネギたちが一目散にリングを駆け上がってきた。そして誰よりも速く美空とココネがシモンの胸に飛びついた。傷だらけの体に少し堪えるが、シモンは両手を広げて二人の少女を迎え入れた。 「カッコ悪いとこ見られちまったな・・・」 シモンの胸に顔をうずめる二人はその状態のまま首を横に振る。二人は何も言わなかった、しかし今はシモンの存在を確かめるかのように身を寄せる。二人がどんな顔をしているかは分からないが、シモンも腕を回して二人の少女の頭を撫でる。この光景に木乃香たちが羨ましそうな顔をしていたがこの時はスルーした。 するとシモンにヨーコが近づいてくる。 「生きていれば・・・楽しいことも悲しいことも・・いつあるかは分からない、先のことなんて誰にも分からないんだから・・・でも・・アンタは大丈夫よね?」 ヨーコはシモンを囲むネギたちを見てうれしそうに告げる。シモンもヨーコの言葉に笑顔で頷く。 「ああ、当然だ!・・・、ありがとう・・ヨマコ先生!!」 「ぷっ・・ふふ、いいのよ・・・・久しぶりに・・・いいものが見れたしね・・・」 クルッとシモンに背を向けヨーコは木乃香を見る。そして肩を軽く叩いて、 「がんばりなさいよ!」 「!?・・・・は・・・はいっ!!」 この試合で木乃香は自分の想いを叶える事の困難さを理解した。そして何をすべきなのか理解した。ただ自分を磨いてシモンの隣に相応しい大人になるだけではダメなのだと、自分がされたように自分も支える側にならなければならないのだと理解した。ヨーコの言葉に木乃香は強く頷いた。 その笑顔を見てヨーコは満足し、リングを立ち去ろうとした。しかし 「ヨーコ!」 その動きを不意にシモンが名を呼び、止めた。 ヨーコも名を呼ばれ振り返る、するとシモンは少し戸惑っている表情をしていた。彼が今から言う言葉は二人のこれからの未来に大した影響はない、しかしイザ言おうとすると少し照れてしまった。 それはヨーコに一生告げることのない言葉だとシモンは思っていた。しかし体を張って、心を痛めながらも自分のためにその魂を振るってくれた最高の仲間に、どうしても言いたくなってしまったのだ。 「ヨーコ・・・知ってた?・・俺・・昔は・・ヨーコが好きだったんだよ・・・・」 「!?」 「なっ!?」 「シ・・・シモンさん・・・」 そのことをネギたちは皆知っていた。しかしそれが今告げられるとは完全に予想外だった。全員完全に不意をつかれて固まっていた。 しかしヨーコは違う、彼女は再びシモンに背を向けた。 「そう・・・そうだったんだ・・・・・もう・・バカね・・・・・・」 背中を向けているヨーコの表情は分からない、しかしヨーコは手で少し目元ををこする様な仕草をしていた。すると急に明るい笑顔で振り返った。 「残念ね~、私にKO勝ちしていたら、考えてあげてもよかったんだけどな~~」 クスクスと笑いながら冗談めいた口調でヨーコは答えた。 「そっか・・・、はは、じゃあ惜しかったな~、もうちょっとがんばれば良かったな~~」 「そうね~、ふふ、惜しかったわね~・・・ホントに・・・惜しかった・・・」 シモンの告白にそれほど意味は無かった、それは告白と呼べるものでもなかったかもしれない、想いが成就したわけでも振られたわけでもない、互いに笑いながらそれで終わらせる、それがシモンとヨーコの一番の関係なのかもしれない。シモンの告白を受けて少し寂しそうな表情を一瞬ヨーコは浮かべたが・・・ 「シモン!」 「なんだ?」 「アンタ・・・相変わらずいい男よ♪」 笑顔を見せて、ヨーコはそれだけ告げて再び背を向けリングから立ち去った。 「シモンさん・・・あの・・・」 ネギが少し戸惑い気味にシモンに話しかける、あれだけ感情を露にしたシモンに何と声を掛ければいいか分からなかった。するとシモンはいつもと変わらぬ笑みを浮かべながらネギの頭に手を置いた。 「アイツは・・・優しくて・・・そして厳しさも持っている。心を痛めながらも俺のためにあんなことまでしてくれた・・・いい女だよ・・・本当に・・お前も見る目があるよネギ!」 「は・・・はい!」 ネギは誤魔化すことをせずに少し顔を赤らめて頷いた。そして、シャークティが近づく。 「シモンさん・・・・本当に大丈夫なんですか?」 先程の涙を流したシモンを気にしてか、少し不安そうな表情だった。それは木乃香やアスナたちもそうだった。そこでシモンはそんな不安を吹き飛ばすあの言葉を言う。 「あたりまえだ、俺を誰だと思っている」 その瞬間シャークティもそしてこの場にいた全員、花が咲いたような笑顔を見せた。少なくとも今のシモンは何も強がったり無理したりして誤魔化していないことが、その瞳から理解できたからだ。 『これにて一回戦を全て終了いたします!!そしてこれより二回戦を開始したいと思います!』 朝倉の声を聞き、シモンたちもリングから立ち去る。自分のために悪役にまでなったヨーコに心の中で感謝しながら、シモンは控え室へ向かった。 後書き 短いですが更新しました。本当はこの試合は一話でまとめる予定でしたが分けました。 とりあえず感想板で書かれていたようにいつかは言われると思っていました。以前にも注意点として書きましたがシモンの大人のキャラをイマイチ掴めず、不快にする可能性があると述べました。元々グレンラガンを書くときから覚悟していましたが、今回は批判を予想していましたが、あえてやりました。やはりグレンラガンはアニメで完全な終わり方をしていたため、登場人物のほとんどが成熟していたためクロスオーバーの主人公としては正直つまらなくなると思っていました。特にネギまのクロスオーバーにするとほとんどの場合が完成された主人公がネギまの世界でネギたちの甘さを指摘したりするパターンが多かったので、主人公を指摘するキャラとして今回はヨーコに無理をさせました。というわけで前話のヨーコは本心で嫌味を言ったりしていませんので、お間違いなく。でもシモンはマジ泣きです。その結果不快に感じた方も多いと思いますが、ご了承ください。